先に結論
4モデルとも高品質ですが、実務でぶつかる論点はかなり違います。
- Luma UNI-1: 参照画像を役割付きで使い分けながら、ブランド整合性・複数素材の合成・精密編集を詰めたいときに強い
- Nano Banana 2: 文字入り広告、SNSサムネ、軽い編集を、Flash級の速度で何本も回すときに強い
- GPT Image 1.5: OpenAI API の中で、対話しながら生成と編集を往復したいときに扱いやすい
- Seedream: ポスター、LPヒーロー、商品訴求KVのように、見栄え・構図・小さな文字レイアウトまで詰めたいときに強い
選び方だけ先に言うとこうです。
- ブランド画像やLP素材を参照一致込みで再現したい → UNI-1
- 広告バナーやサムネを高速量産したい → Nano Banana 2
- OpenAI API で画像生成も統一したい → GPT Image 1.5
- 高密度ポスターや商品KVを綺麗に見せたい → Seedream
なぜ今この比較が重要か
2026年3月は、AI画像生成の比較軸がかなり実務寄りになりました。Luma は UNI-1 を前面に出し、Learning Hub でも「Create と Modify を分け、参照画像に role を与えて制御する」という運用を明確にしています。つまり、単なる一発生成ではなく、再現性のある編集ワークフロー を売り始めています。
一方で Google の Nano Banana 2 は、DeepMind の公式紹介で precise text、custom aspect ratios、2K / 4K upscale、最大14オブジェクトの一貫性 を打ち出しています。広告・販促・SNS運用の現場では、この「文字入りを速く回せる」強さがかなり効きます。
GPT Image 1.5 は OpenAI API の画像生成モデルとして整理され、Images API / Responses API の文脈で使えるようになりました。これは、画像単体の品質だけではなく、既存の OpenAI ベースのプロダクトやエージェントに画像生成を混ぜやすい という意味があります。
Seedream 系は ByteDance Seed が 3.0 以降で、native 2K、高速生成、小さな文字と複雑レイアウト、商用グラフィック寄りの美観 を強く押し出しています。LPや販促クリエイティブでは、単なる写実性より「売れる見え方」が重要なので、ここは見逃せません。
比較表
| 比較軸 | Luma UNI-1 | Nano Banana 2 | GPT Image 1.5 | Seedream |
|---|---|---|---|---|
| 主戦場 | 参照一致・精密編集・複数素材合成 | 高速量産・文字入り広告・マルチ制約 | OpenAI API 統合・会話型編集 | ポスター/KV・高密度文字・美観重視 |
| 参照画像 | 最大9枚、役割指定が前提 | 最大14オブジェクトの整合性を訴求 | 画像入力対応、会話的編集向き | 単一〜複数参照の保持と再構成が強い |
| アスペクト比 | 9種類、用途別に選びやすい | カスタム aspect ratio を訴求 | 1024×1024 / 1024×1536 / 1536×1024 が明確 | 多様な比率、4K系まで発展 |
| 文字描画 | 実写/スタイル寄り、文字主戦場ではない | 正確で読みやすい text rendering が強み | 指示追従は高いが比率選択は少なめ | 小さな文字・複雑レイアウト・ポスターが強い |
| 速度感 | 反復編集向き | Flash級の速さ | 中速 | Seedream 3.0 では 1K 約3秒を訴求 |
| 料金の見え方 | 2048px 1枚あたり約 $0.0909〜 | 公式個別単価は導線で見えにくい | 1024角 Low $0.009〜 / High $0.133〜 | サービス経由だと安価帯もあるが提供面に差 |
| 向いている人 | ブランド担当、LP制作、複数参照運用 | 広告運用、SNS担当、量産制作 | 開発者、OpenAIスタック利用者 | デザイナー、販促担当、商品訴求制作 |
4つの違いを実務目線で整理する
UNI-1 は「参照を守りながら詰める」ためのモデル
UNI-1 の強みは、Luma の Learning Hub にある通り、Create / Modify を切り分け、最大9枚の reference に役割を持たせて扱える ことです。STYLE、CHARACTER、COMPOSITION、LIGHTING のように参照の責務を分けられるので、ブランドトーンや構図を壊さずに改稿しやすいです。
広告やLPでよくあるのは、
- 商品写真はこのまま使いたい
- 背景だけ季節感を変えたい
- 既存ビジュアルの色温度だけ寄せたい
- 同じキャラクターで別シーンを量産したい
といった要求です。ここでは「新規生成のうまさ」だけでなく、変えていい部分と変えてはいけない部分を切り分けられるか が重要です。UNI-1 はまさにそこが強いです。
しかも seed を固定して反復する考え方が公式ガイドでも明示されているので、感覚論ではなく 再利用可能なレシピ として運用しやすいです。ブランド画像や継続運用型のLP制作なら、かなり相性が良いです。
Nano Banana 2 は「文字入り広告を速く回す」仕事人
Google DeepMind の紹介では、Nano Banana 2 は Generate precise text、Resize for any platform、up to five characters and fourteen objects consistency などが前面に出ています。つまり、「とりあえず綺麗な絵」ではなく、マーケ用途でそのまま使える運用性能 を押し出しています。
特に強いのは次のようなケースです。
- 広告バナーに文字を直接入れたい
- SNS用に 1:1 / 4:5 / 9:16 を横断して量産したい
- 参照画像を混ぜつつ商品や人物を崩しすぎたくない
- 生成スピードを落とさずに複数案を比較したい
Nano Banana 2 は万能ではなく、Google 公式でも small faces や spelling、複雑な blending ではミスが残る と認めています。ただ、それでも「高速」「文字」「複数制約」「量産」のバランスがかなり良いので、広告素材の本命 として見やすいです。
GPT Image 1.5 は「OpenAI API に画像生成を自然に混ぜたい」時に強い
GPT Image 1.5 の価値は、画質だけでなく OpenAI API の中で一貫して扱えること です。公式ドキュメントでは text と image の入出力に対応し、per-image pricing も Low / Medium / High で明確です。
たとえば、
- 会話型 UI の中で画像を編集したい
- テキスト生成と画像生成を同じ API 基盤で扱いたい
- エージェントが状況に応じて画像を作り直す設計にしたい
- まず 1024 角で試して、必要なものだけ高品質化したい
という用途では、GPT Image 1.5 はかなり自然です。
逆に、LPや広告素材で「比率や複数参照の制御を細かく回す」場面では、UNI-1 や Nano Banana 2 の方が判断しやすいこともあります。GPT Image 1.5 は OpenAI 中心の統合性が最重要な人向け です。
Seedream は「売れる見た目」を作るポスター/商品訴求寄り
ByteDance Seed の公開情報では、Seedream 3.0 は native 2K output、around 3 seconds、small text generation and layout を打ち出しており、4.x 系ではさらに 4K・複数参照・ポスター構成・商品訴求KV が強化されています。
ここで重要なのは、Seedream が「綺麗な絵」だけでなく、
- 展示ポスター
- 商品詳細KV
- 販促コピー入りビジュアル
- 情報量の多い訴求画像
のような、商用グラフィックそのもの に寄っている点です。
つまり、Seedream は Midjourney 的な雰囲気勝負というより、情報設計込みのビジュアル制作 に向いています。LP画像のヒーローや、広告のキービジュアル、ECの商品訴求などでかなり刺さります。
用途別おすすめ
LPヒーロー画像なら UNI-1 か Seedream
LPヒーローで大事なのは、単なる画質より ブランド整合性 と 訴求力 です。
- 既存ブランド写真、人物、構図を壊さず改善したい → UNI-1
- 一枚で世界観と訴求を見せたい、高密度でも絵を崩したくない → Seedream
LPは一度作って終わりではなく AB テストや季節変更が入るので、再編集のしやすさまで考えると UNI-1 はかなり強いです。一方、最初の訴求インパクトなら Seedream が刺さりやすいです。
広告バナー・SNSクリエイティブなら Nano Banana 2
広告運用で重要なのは、速く回せること、文字が破綻しにくいこと、比率を変えやすいこと です。ここは Nano Banana 2 が一番わかりやすいです。
- 1日で複数クリエイティブを回したい
- 直接コピーを画像に入れたい
- 参照画像を使ってトンマナを揃えたい
- 複数サイズへ展開したい
この条件なら、Nano Banana 2 はかなり本命です。
商品画像・販促KVなら Seedream か Nano Banana 2
商品画像は「綺麗」だけでは足りず、読ませたい文字・レイアウト・商品の存在感 が必要です。
- 商品訴求のKVやポスターに寄せたい → Seedream
- 商品写真を活かしつつ複数サイズで量産したい → Nano Banana 2
特に商品訴求で小さな文字や補足情報が増えるほど、Seedream 系の強みが出やすいです。
複数参照合成やブランド統一なら UNI-1
- 人物の顔は維持したい
- 背景だけ差し替えたい
- 複数参照を役割分担して運用したい
- 再現性を持って同じトーンのビジュアルを量産したい
この手の仕事は UNI-1 がいちばんハマります。公式ガイドの「Treat each reference as having authority over its assigned layer only.」という発想が、そのまま実務で効きます。
料金感とコスパの見方
UNI-1 は高く見えても、修正往復コストを削りやすい
Luma の公式ページでは、UNI-1 は 2048px の text-to-image が 約 $0.0909 / image、image edit が 約 $0.0933 / image、multi-ref でも 約 $0.0957〜$0.1101 / image と整理されています。
単価だけ見ると最安ではありませんが、ブランド素材やLP画像のように「1回当てて終わり」ではなく、直しの回数そのものを減らす なら十分に元が取りやすいです。
GPT Image 1.5 は品質段階が明確で予算を組みやすい
OpenAI 公式では、1024×1024 の per-image pricing が
- Low: $0.009
- Medium: $0.034
- High: $0.133
と明示されています。まず low / medium で試して、当たりだけ high に上げる、という運用がしやすいです。OpenAI の他機能と請求をまとめたいチームにも相性が良いです。
Nano Banana 2 / Seedream は「単価」より「1時間で何本回せるか」で見る
Google と ByteDance の公開情報では、Nano Banana 2 は速度と量産性、Seedream は高速高解像度とグラフィック品質が前面に出ています。どちらも実務では、1枚単価より 何本のラフと本番を短時間で作れるか が効きます。
広告運用なら Nano Banana 2、ポスターや訴求KVなら Seedream、という見方のほうが失敗しにくいです。
どれを選ぶべきか
1. まず広告運用・量産が主目的なら Nano Banana 2
文字入り、比率変更、複数案の高速比較。この3点が必要ならかなり本命です。
2. ブランド整合性と複数参照が重要なら UNI-1
LP、ブランドビジュアル、複数素材合成など「壊さず改善したい」仕事に向いています。
3. OpenAI API 統合まで含めるなら GPT Image 1.5
既存プロダクトに画像生成を自然に混ぜるなら最も導入しやすいです。
4. 見栄え重視のKVやポスターなら Seedream
商品訴求や高密度ポスター、販促デザイン寄りの案件ではかなり有力です。
迷ったらこの選び方で十分
- LP画像・ブランド統一 → UNI-1
- 広告バナー・サムネ量産 → Nano Banana 2
- OpenAI API 中心のプロダクト実装 → GPT Image 1.5
- ポスター・商品KV・文字多め販促 → Seedream
AI画像生成は「一番賢いモデル」を探すより、自分の制作フローで最も失敗しにくいモデル を選ぶ方が成果につながります。
Google 系の制作ワークフローまで広く見たいなら Google Stitch vs v0 vs Lovable vs Bolt vs Figma 比較、Gemini API 周辺の接続を見たいなら Gemini API Tool Combinationとは?Maps・Groundingとの違いと使いどころ、エージェント時代の制作基盤を広く比較したいなら Claude Coworkとは?ChatGPT agent / Manus / Gemini との違いを比較【2026年版】 も合わせてどうぞ。
参考にした主な公式情報
- Luma UNI-1 公式ページ
- Luma Learning Hub「Luma Uni-1 Model Start Guide」
- Luma Pricing
- Google DeepMind「Gemini 3.1 Flash Image – Nano Banana 2」
- OpenAI API docs「GPT Image 1.5」
- ByteDance Seed「Seedream 3.0 technical report」「Seedream 4.5」