先に結論
この5つは、全部「AIでUIを作れる」ように見えますが、実際には買っているものが違います。
- Google Stitch: 発想を広げるための AIネイティブなデザイン生成キャンバス
- v0: そのままコード・リポジトリ・公開へ寄せやすい 実装直結型
- Lovable: 会話しながらプロダクトを育てる チャット起点型
- Bolt: AI生成からホスティングやDBまで含めやすい 一体型ビルダー
- Figma: 生成後の整理、共同編集、デザインシステム運用に強い チーム標準基盤
だから、単純な「どれが最強か」ではなく、どこで人間が介入し、どこまでをツールに任せたいか で選ぶべきです。
最初の選び方だけ先に言うとこうです。
- まず無料でUI案を大量に出したい → Google Stitch
- コード生成から公開まで最短で持っていきたい → v0
- チャット中心でサービスを形にしたい → Lovable
- フロントだけでなくインフラ寄りも一気に進めたい → Bolt
- 複数人で品質を詰める最終基盤が欲しい → Figma
なぜ今この比較が重要か
2026年3月時点で、Google Stitch は単なる「AIで画面を描く実験」から一段進みました。Google 公式ブログでは、Stitch を AI-native software design canvas と位置づけ、無限キャンバス、design agent、Agent manager、URL からの design system 抽出、DESIGN.md、voice、prototype 生成、MCP/SDK 連携まで打ち出しています。
一方で、v0 は公式トップで working applications を minutes で生成し、GitHub 同期と Vercel への公開までつなぐ ことを強く訴求しています。Bolt も apps / websites / prototypes だけでなく、Cloud、DB、auth、hosting、analytics を内包した一体型を前面に出しています。Lovable は chat with AI to create apps and websites を真ん中に置き、非デザイナーでも入口が分かりやすいです。Figma は Figma Make / Sites / Code Layers / MCP server を揃えつつ、依然としてチームの共通設計基盤としての立ち位置を守っています。
つまり今の読者が迷っているのは、
- AIで叩き台を作るツールを探しているのか
- そのまま本番公開したいのか
- デザインと実装を同じ場所で回したいのか
- 最終的にチームで再利用できる設計資産を作りたいのか
の切り分けです。
比較表
| 比較軸 | Google Stitch | v0 | Lovable | Bolt | Figma |
|---|---|---|---|---|---|
| 主な立ち位置 | AIネイティブ設計キャンバス | 実装直結型UI/アプリ生成 | チャット起点アプリ生成 | 一体型AIビルダー | チーム設計基盤 |
| 強い入口 | 自然言語・画像・URL | プロンプトからアプリ生成 | 会話でアプリを育てる | チャットで生成してそのまま拡張 | デザイン・プロトタイプ・共同編集 |
| 強み | 無料、発想展開、プロトタイプ、DESIGN.md | GitHub同期、Vercel公開、コード寄り | 非デザイナーでも入りやすい | Cloud / DB / auth / hosting まで近い | デザインシステム、共同編集、最終調整 |
| 弱み | 本番運用基盤そのものではない | デザイン資産管理はFigmaほど強くない | 大規模運用の標準基盤としては弱い | 設計資産の緻密さはFigmaほどではない | 叩き台生成と即公開の速さでは専用ビルダーに劣る |
| 向いている人 | 無料で叩き台を量産したい人 | LP / SaaS UI をすぐ公開したい人 | 会話中心でMVPを育てたい人 | 小チームで一気通貫したい人 | 複数人で品質と再利用性を高めたいチーム |
比較の観点
1. 「叩き台生成」なのか「本番化」なのか
ここを混ぜると選定を間違えます。
Google Stitch は、2026年3月の公式アップデートで design agent、voice、prototype、DESIGN.md、MCP 連携まで広がりましたが、それでも本質は 設計の発想量を増やすためのキャンバス です。無料で速く、自然言語から高精細UIを出せるのが魅力です。
対して v0 や Bolt は、最初から そのUIをどうアプリとして成立させ、公開まで持っていくか まで近い位置にいます。v0 は GitHub 同期と Vercel への接続が分かりやすく、Bolt は Cloud / DB / auth / hosting まで含めて「作って終わり」になりにくい構成です。
Figma は逆に、生成の派手さより 最終品質とチーム運用 が本質です。だから、叩き台生成のスピードだけで比較すると不利に見えても、実務の最後ではむしろ強いです。
2. デザインツールか、実装ツールか、その中間か
- Google Stitch はデザイン寄り
- v0 / Bolt は実装寄り
- Lovable は会話型の中間
- Figma は設計基盤寄り
この位置関係を理解すると、なぜ同じ「AI UI生成」でも評価が割れるのかが見えます。
たとえば、デザイナーが複数案を出して比較したいなら Stitch や Figma が刺さります。エンジニアやPMが「明日公開したい」なら v0 や Bolt のほうが価値が出ます。非デザイナーの事業担当が AI と会話しながら MVP を育てたいなら Lovable が入りやすいです。
3. 再利用したいのは画面か、コードか、設計ルールか
実務ではここがかなり大事です。
- Stitch は design system 抽出や DESIGN.md で、設計ルールのやり取りに寄ってきた
- v0 はコードと公開フローの再利用が強い
- Bolt はアプリ基盤込みで再利用しやすい
- Figma はコンポーネントやライブラリなど設計資産の再利用が強い
「再利用できる」と言っても、何を再利用するかはツールごとに違います。
各サービスの向き不向き
Google Stitch: 無料で設計案を広げるなら最強クラス
Google Stitch のいちばん大きい価値は、無料で高品質なUI案を大量に試せること です。
2026-03-18 の Google 公式ブログでは、AI-native canvas、design agent、Agent manager、voice、URL からの design system 抽出、DESIGN.md、MCP 連携が打ち出されました。2025-12 の公式更新では Prototypes も追加されており、単発画面の生成ツールから、画面間の流れまで見るツール に進化しています。
向いているのは次のような人です。
- LP やアプリの初期UIをたくさん試したい
- デザイナーが本作業に入る前のたたき台を作りたい
- Figma や AI Studio へ渡す前段を高速化したい
- まず費用ゼロで検証したい
弱みは、そのまま本番公開する一体感は v0 や Bolt ほど強くない ことです。設計の出発点としては非常に強い一方、デプロイや運用までの最後の数歩は別ツール設計が必要です。
v0: 生成したUIをそのままプロダクトへ近づけたい人向け
v0 の強みは、生成したものがコードと公開に近い ことです。
Vercel 公式トップでも、working applications の生成、GitHub への同期、Vercel へのワンクリック公開、design mode、design systems が前面に出ています。つまり v0 は「画像っぽい叩き台」ではなく、実装入口としてのUI生成 に寄っています。
向いているのは、
- AIで作ったUIをそのまま repo に入れたい
- LP、管理画面、SaaS UI を早く立ち上げたい
- Vercel / Next.js 寄りの流れと相性を取りたい
- エンジニアがデザイン初速も吸収したい
というケースです。
弱みは、デザイン資産の厳密な共同編集やブランド運用では Figma ほど盤石ではない ことです。だから v0 を最終設計基盤にするというより、本番へ近い試作エンジン として見るのが自然です。
Lovable: 非デザイナーでも会話中心で前に進みやすい
Lovable は、公式トップでも Create apps and websites by chatting with AI を真正面に置いています。強みは、画面作りの専門用語よりも 会話のしやすさ です。
向いているのは、
- 事業担当やPMが自分でもMVPを触りたい
- ざっくり要件から形にしたい
- UIツールの学習コストを避けたい
- デザインより「まず使える形」が欲しい
という人です。
弱みは、チーム横断の設計資産として厳密に積み上げる基盤にはなりにくい ことです。入口体験は良いですが、デザインシステムや大規模運用の軸というより、MVP 推進力で評価したほうが合っています。
Bolt: 一体型で一気通貫したいならかなり強い
Bolt は公式で、apps / websites / prototypes に加え、Cloud、DB、auth、hosting、analytics を内包した一体型を強く打ち出しています。要するに、作るだけでなく、走らせる場所まで同じ面で考えやすい のが魅力です。
向いているのは、
- 小さなチームでサービスを一気に立ち上げたい
- フロントだけでなくバックエンド周辺もまとめたい
- アカウントやデプロイを細かく繋ぎ込みたくない
- SEO も含めてLPやマーケ施策を速く回したい
というケースです。
弱みは、デザインの緻密な共同編集や再利用資産の整備では Figma に及ばない ことです。また、コードやインフラの抽象化が厚くなるぶん、自前制御を強く求めるチームには好みが分かれます。
Figma: 最後に残る設計基盤
Figma は AI 時代でも、まだ終わっていません。むしろ、AIでたたき台を量産する時代だからこそ、最後に整える基盤として価値が増している 側面があります。
Figma 公式では Figma Make、Figma Sites、Code Layers、MCP server など、AI生成と実装接続をかなり強化しています。それでも本質は、複数人でレビューし、ライブラリ化し、ブランドや一貫性を守ることです。
向いているのは、
- 複数人でレビューしながら詰めたい
- デザインシステムを継続運用したい
- 生成後の仕上げと再利用を重視したい
- エンジニアとデザイナーの間に共通基盤が欲しい
というチームです。
弱みは、ゼロから数分で本番公開まで持っていく速度では専用AIビルダーに劣る ことです。
どれを選ぶべきか
1. 無料でUIアイデアを量産したい
Google Stitch が第一候補です。
特に、広告LPの叩き台、比較記事の図版、MVPの初期画面など、まず複数案を見たい場面で強いです。無料で始めやすく、2026年3月時点では voice や design agent まで入っているので、単なる一発生成より対話的に詰められます。
2. そのままコードと公開へ進みたい
v0 が最も分かりやすいです。
GitHub と Vercel の導線が明快で、フロント寄りプロダクトやLPを速く出したい人に向いています。
3. 会話しながらMVPを育てたい
Lovable が入りやすいです。
特に、非デザイナーやソロの事業側が「まず触れるものを作りたい」局面では、専門ツール感が薄くて前進しやすいです。
4. 小チームで一気通貫したい
Bolt が有力です。
画面だけでなく、DB、auth、hosting まで近いので、設計→実装→公開の分断を減らせます。
5. 最終品質とチーム運用を重視する
Figma を外す理由はまだありません。
AIで叩き台を作る時代でも、最後に残るのは設計資産とチーム整合性だからです。
まとめ
Google Stitch、v0、Lovable、Bolt、Figma は、全部 AI UI生成に見えても役割が違います。
- Stitch は発想量を増やす
- v0 は実装へ寄せる
- Lovable は会話で前進させる
- Bolt は一体型で走らせる
- Figma はチームの基盤を守る
迷ったら、まず 「自分が今ほしいのはアイデアか、コードか、公開か、運用か」 を決めると外しにくいです。