先に結論
この4つは全部「AIの作業スペース」に見えますが、実は主語が2つに分かれます。
- 調べるためのノート: Notebooks in Gemini、NotebookLM
- 仕事を進めるための母艦: ChatGPT Projects、Claude Projects
最短で選ぶならこうです。
- 複数ファイルを読ませて、すぐ調査ノートを作りたい → Notebooks in Gemini / NotebookLM
- 案件ごとの資料、会話、指示をまとめて継続作業したい → ChatGPT Projects
- 案件ごとに knowledge と instructions を分けて、共有まで見据えたい → Claude Projects
つまり今回の比較で一番大事なのは、AI に何を覚えさせたいか ではなく、その箱を調査ノートとして使うのか、仕事の母艦として使うのか です。
なぜ今この比較が重要か
Product Hunt の本日上位に Notebooks in Gemini が出てきて、Gemini 側でも「project / chat / file を 1 つの作業空間へ寄せる」文脈が強くなりました。
一方で既存の主要プレイヤーは、すでにかなり性格が固まっています。
- ChatGPT Projects は OpenAI Help 上でも、files、project instructions、app links、saved responses をまとめる smart workspace として整理されています。
- Claude Projects は Anthropic 側で、chat histories と knowledge base を持つ self-contained workspace として案内されています。
- NotebookLM はもともと、資料を読み込んで理解や要約を深める 調査ノート の色が強いです。
つまり今は、「AIワークスペースを持つ」のが論点ではありません。
- 調査ノートとして軽く使いたいのか
- 継続案件の母艦にしたいのか
- プロジェクトごとに振る舞いを固定したいのか
- チーム共有まで含めるのか
を決めるタイミングです。
比較表
| 比較軸 | Notebooks in Gemini | ChatGPT Projects | Claude Projects | NotebookLM |
|---|---|---|---|---|
| 主語 | 調査ノート寄りの Gemini workspace | 継続作業の母艦 | 案件単位の workspace | 資料起点の調査ノート |
| 何を束ねるか | chat / file / note | chats / files / instructions / app links / saved responses | chat histories / knowledge base / project instructions | sources / notes / summaries |
| 向いている仕事 | 調査、要約、アイデア整理 | 提案、企画、継続案件、再利用 | 案件運用、共有知識、役割固定 | リサーチ、学習、文献整理 |
| 共有性 | 現時点では詳細確認を要する | Business / Enterprise / Edu で共有が強い | Team / Enterprise の共有が明快 | ノート共有より個人調査色が強い |
| 継続文脈 | 中 | 強い | 強い | 中 |
| ノートとしての軽さ | 強い | 中 | 中 | 非常に強い |
| 仕事の母艦適性 | 中 | 非常に強い | 強い | 弱い |
まず押さえるべき違い
1. Notebooks in Gemini は「軽い調査ノート」に近い
Notebooks in Gemini が刺さるのは、大きい案件管理より、まずは複数ファイルや会話を一塊で扱いたい人 です。
Gemini 本体の中でノートを作り、そこへファイルや会話の文脈を寄せていけるなら、以下の用途と相性が良いです。
- 調査メモを 1 つに束ねる
- 製品比較の下調べをする
- 会話しながら要点を磨く
- そのまま叩き台や整理メモを作る
この方向は、仕事全体の母艦というより 「今このテーマを調べるための箱」 としてかなり自然です。
だから、以下に向いています。
- Gemini をすでに使っている
- まず個人で素早くノートを回したい
- 調査とメモの往復を軽くしたい
逆に、権限管理や案件共有まで強く求めると、主語が少しズレます。
2. ChatGPT Projects は「仕事を進める母艦」として一番汎用
OpenAI Help の Projects in ChatGPT では、Projects は long-running effort を 1 つにまとめる smart workspace と説明されています。
実際、ChatGPT Projects で整理できるものはかなり広いです。
- files
- project instructions
- Google Drive / Slack の app links
- saved responses
- project memory
つまり ChatGPT Projects は、単にノートを作るだけでなく、仕事の材料と出力と会話を再利用し続ける箱 として設計されています。
この差は大きいです。
- 調べて終わりではない
- 後からまた同じ案件に戻る
- 過去の成果物を再利用する
- 複数のソースを 1 つの流れで使う
こういう仕事では、NotebookLM や Notebooks in Gemini より ChatGPT Projects のほうが母艦らしい です。
Projects 同士の差だけ深く見たいなら、ChatGPT Projects / File Library vs Claude Projects を先に読むと整理しやすいです。
3. Claude Projects は「案件単位の knowledge base 運用」が強い
Claude Help では、Projects を self-contained workspace として説明し、project knowledge と project instructions を中心に整理しています。
この構造の良さは、保存量そのものより 案件ごとの前提を分けやすいこと です。
- この案件ではどの資料を前提にするか
- この案件ではどのトーンで返すか
- この案件は誰と共有するか
をきれいに切れます。
しかも Claude 側は、paid plan で RAG による project knowledge 拡張、Team / Enterprise で共有を明示しています。つまり Claude Projects は、単なる個人ノートより 案件運用の箱 としての輪郭がかなり明快です。
だから以下の用途に向きます。
- 顧客案件をまたいで知識を混ぜたくない
- 共有プロジェクトとして回したい
- project instructions を強めに効かせたい
4. NotebookLM は「調べるためのノート」として今も強い
NotebookLM の主語は、やはり ソース起点の理解 です。
- 資料を読み込ませる
- 要点を抜き出す
- 論点を整理する
- 学習や調査の FAQ を作る
という流れでは、NotebookLM は今もかなり分かりやすいです。
ただし、ここで勘違いしやすいのは、NotebookLM をそのまま 案件母艦 として見てしまうことです。
NotebookLM は強いですが、強さの主語は「作業を進めるためのプロジェクト管理」より 資料を読むためのノート にあります。
この違いを無視すると、ChatGPT Projects や Claude Projects と比較したときにズレます。
どんな人にどれがおすすめか
Notebooks in Gemini がおすすめの人
- Gemini を普段使っている
- 調査メモを軽く束ねたい
- 長い案件管理より、まずは今のテーマを整理したい
- 複数ファイルを読みながら会話したい
ChatGPT Projects がおすすめの人
- 継続案件の母艦を作りたい
- ファイル、会話、指示、アプリソースを再利用したい
- 個人〜小チームで 1 つの AI workspace を育てたい
- 調査だけでなく、提案書や企画の下書きまでつなげたい
ChatGPT 側の workspace 文脈をもう少し広く見たいなら、ChatGPT workspace analytics vs Microsoft 365 Copilot dashboard vs Gemini for Workspace も参考になります。
Claude Projects がおすすめの人
- 案件ごとに knowledge と instructions を切り分けたい
- project ごとの前提固定を重視する
- Team / Enterprise で共有プロジェクトを回したい
- 個人ノートより、案件運用のきれいさを優先したい
NotebookLM がおすすめの人
- ソースを読ませて理解を深めたい
- 学習、調査、比較下調べが主目的
- まずは無料寄りで試したい
- プロジェクト管理よりノート体験を重視する
失敗しにくい選び方
1. まず「調べたい」のか「進めたい」のかを決める
- 調べたい → Notebooks in Gemini / NotebookLM
- 進めたい → ChatGPT Projects / Claude Projects
ここを曖昧にすると、ノート系を母艦として選んで後から困ります。
2. 共有性が必要かを見る
共有や権限設計が重要なら、現時点では ChatGPT Projects と Claude Projects の方が読みやすい です。特に Claude Projects は Team / Enterprise の共有文脈が明快です。
3. 長期再利用が多いかを見る
過去ファイルや過去会話を後から引っ張りたいなら、OpenAI Help で明示されている files、saved responses、project memory の流れがある ChatGPT Projects がかなり強いです。
4. ノートとしての軽さを優先するかを見る
資料を読む、比較下調べをする、論点をまとめるといった軽さなら、Notebooks in Gemini と NotebookLM の方が入りやすいです。
いま一番おすすめの整理
現時点では、次の整理が一番ズレにくいです。
- 軽い調査ノート → Notebooks in Gemini
- 資料理解と学習ノート → NotebookLM
- 仕事の母艦 → ChatGPT Projects
- 案件単位の shared workspace → Claude Projects
もし 1 つだけ選ぶなら、仕事を前に進める汎用性では ChatGPT Projects が最も広く、案件運用の整理のしやすさでは Claude Projects が強いです。
一方で、「今日はこのテーマをさっと調べたい」という用途では、むしろ Notebooks in Gemini や NotebookLM の軽さの方が価値 になりやすいです。
参考にした一次情報
- OpenAI Help Center, Projects in ChatGPT
- Claude Help Center, What are projects?
- Gemini 公式公開ページ
- NotebookLM 公式公開ページ
- Product Hunt 掲載情報(Notebooks in Gemini)