先に結論
AI議事録ツールを今選ぶなら、単に「文字起こしが正確か」では足りません。
本当に差が出るのは次の2軸です。
- 会議に bot を参加させるか、させないか
- 会議後の知識を ChatGPT / Claude / CRM / Notion / Slack で再利用できるか
この4サービスをざっくり分けるとこうです。
- Granola: botless を最重視したい人向け。会議相手に bot を見せたくない商談、採用、役員会に強い
- Fellow: bot参加は許容しつつ、会議前後の運用、アジェンダ、CRM更新、共有まで一体化したい人向け
- Otter: bot参加前提で、Meeting Agent、Otter AI Chat、MCP server を使って meeting knowledge を広く活用したい人向け
- Fireflies: bot参加型で、AskFred、会話分析、API、voice agents まで広げたい人向け
最初の選び方だけ先に言うとこうです。
- bot を入れたくない → Granola
- 会議運用まで一体で整えたい → Fellow
- 会議知識を AI workflow に強くつなぎたい → Otter
- 会話分析や AskFred を使って横断検索したい → Fireflies
議事録ツール全体の入門比較を見たいなら、先に AI議事録ツールおすすめ5選【2026年版】 を読むと整理しやすいです。この記事はその中でも 「bot参加あり・なし」と「会議知識の再利用」 に主語を絞ります。
なぜ今この比較が重要か
2026年3月時点で、この市場の比較軸はかなり変わっています。
Granola は Spaces / API / MCP を前面に出し、会議ノートを Claude や ChatGPT に持ち込む文脈を強めています。Otter も MCP server を打ち出し、meeting intelligence を他の AI tool へつなぐ方向を明確にしました。Fireflies は AskFred と API を継続的に強化し、要約後の検索・再利用を押しています。Fellow は Ask Fellow、CRM automation、50+ integrations を武器に、会議管理全体で差別化しています。
つまり今は、単なる transcription 比較ではなく、
- 会議相手に bot が見えることを許容できるか
- 会議内容を AI chat や CRM にどう流し込むか
- 要約後の follow-through をどこまで自動化したいか
で選ぶ段階に入っています。
特に次の読者には、この比較がそのまま導入判断になります。
- 顧客商談や採用面接で bot の見え方 を気にするチーム
- 会議内容を ChatGPT / Claude / CRM / Notion / Slack で再利用したい人
- AI議事録を単なる記録ではなく、営業・CS・PM の運用基盤 にしたい人
比較表
| 比較軸 | Granola | Fellow | Otter | Fireflies |
|---|---|---|---|---|
| bot参加の考え方 | botless を強く訴求 | Zoom / Meet / Teams に autojoin | Zoom / Meet / Teams に Meeting Agent が join | fred@fireflies.ai が autojoin |
| 会議後のAI活用 | Granola Chat、MCP、Enterprise API | Ask Fellow、pre / post meeting briefs | Otter AI Chat、MCP server | AskFred、AI apps、API |
| CRM / 業務連携 | Attio、HubSpot、Affinity、Slack、Notion、Zapier | HubSpot、Salesforce、Slack、Notion、Jira、Asana、Linear ほか50+ | Salesforce、HubSpot、Slack、Zoom、Google Docs ほか | 各種 integrations、API、task / analytics |
| 価格の目安 | Free、Business $14/user/month、Enterprise $35/user/month | Free、paid plans start at $7/user | Free、Pro $8.33/user/month annual、Business $20/user/month annual | Free、Pro $10/seat/month annual、Business $19/seat/month annual |
| 強いチーム | 機密会議、採用、顧客商談、bot嫌いな組織 | 会議運用、1on1、部門横断共有、CRM follow-up | sales / CS / exec で meeting knowledge を横断利用したい組織 | 営業・CS・会話分析・横断検索を重視する組織 |
| 最初の印象 | 一番「bot を入れたくない」に答えやすい | 一番「会議そのものの運用」を整えやすい | 一番「meeting intelligence platform」寄り | 一番「search / AskFred / analytics」寄り |
比較の観点
1. 一番大きい違いは bot が見えるかどうか
この4つを比べるとき、最初に決めるべきはここです。
Granola は botless を売りにしている のが最大の特徴です。Granola は device audio ベースで会議ノートを取る設計を強く訴求していて、会議に bot が見えないこと自体を価値にしています。
これは単なる UX の好みではありません。実務だと次の場面でかなり効きます。
- 顧客商談で「録音 bot が入る会社」と見られたくない
- 採用面接で候補者に余計な圧をかけたくない
- 役員会や機密会議で visible bot を避けたい
一方、Fellow / Otter / Fireflies は bot参加型の文脈が明確 です。自動参加、録音、要約、共有が自然な代わりに、会議相手から見える前提で運用することになります。
なので最初の判断はかなり単純です。
- bot が見えるのが嫌 → Granola
- bot参加を許容して、その代わり運用や共有を強めたい → Fellow / Otter / Fireflies
2. MCP / AI chat で会議知識をどこまで外へ持ち出せるか
次の差は、会議が終わったあとです。
Granola は MCP を Claude / ChatGPT 接続文脈でかなり明快に出しています。公式 docs では、meeting notes の検索、action items 抽出、meeting history に基づく質問などを MCP 経由で使えると整理されています。Enterprise では API も用意されていて、workspace-wide access が必要な組織にも伸ばしやすいです。
Otter も 2026年3月に MCP を強く押し出しています。Otter の blog では、Otter meeting intelligence を ChatGPT / Claude 側に持ち込むだけでなく、Otter AI Chat から Notion、Jira、Salesforce、Gmail などへ作用させるユースケースまで語っています。単なる議事録より、meeting knowledge layer に近いです。
Fellow は MCP ではなく Ask Fellow と自前の運用統合が強みです。会議前 brief、会議後 recap、中央ライブラリ、CRM 更新まで含めて、会議の前後を一つの体験でつなぐ設計です。
Fireflies は AskFred と API が主役です。meeting transcript を自然言語で横断検索したり、API から meeting data を扱ったりしやすいので、分析寄りの運用と相性が良いです。
雑に言うとこうです。
- 外部AIへ meeting context を持ち込みたい → Granola / Otter
- 自前アプリ内で会議前後の運用まで完結したい → Fellow
- 議事録横断Q&A と API 活用をしたい → Fireflies
3. CRM やワークフロー連携の強さは各社でかなり違う
議事録ツールは、要約が良くても downstream が弱いと定着しません。
Granola は Attio、HubSpot、Affinity、Slack、Notion、Zapier を明示し、Business 以上で advanced integrations を使えます。botless の割に CRM / workspace への出口がしっかりあります。
Fellow はこの観点がかなり強いです。公式では HubSpot、Salesforce、Slack、Notion、Confluence、Jira、Linear、Asana など 50+ integrations を前面に出していて、特に CRM automation を強く訴求しています。会議内容を CRM に戻す運用まで含めて考えるならかなり分かりやすいです。
Otter も Salesforce / HubSpot 連携や Slack、Google Docs、Zoom などを揃えています。ただし特徴は単純な integrations 数より、Meeting Agent と AI Chat を含めた meeting intelligence 側にあります。
Fireflies は integrations と API の両方があり、AskFred や voice agents まで含めて拡張できます。会話分析やタスク抽出と合わせて使う場合にハマりやすいです。
営業・CS 寄りにまとめると、
- CRM 自動更新や部門運用まで一体化 → Fellow
- botless を保ちながら CRM へ流したい → Granola
- meeting intelligence を広くAI workflowへ → Otter
- 会話分析 / AskFred / API 重視 → Fireflies
4. 価格だけで選ぶとズレやすい
価格表を見ると、どれも「無料あり」「有料あり」で似て見えますが、構造が違います。
Granola は Free、Business $14/user/month、Enterprise $35/user/month で、Business に advanced integrations と MCP integration in all your apps、personal API access が含まれます。botless と連携をこの価格で取れるのが強みです。
Fellow は free があり、paid plans start at $7/user と比較的入りやすいです。ただし本当に欲しい機能が CRM automation や組織運用側にあるなら、実際は上位プランを見た方がいいです。
Otter は annual で Pro $8.33/user/month、Business $20/user/month がわかりやすい基準です。minutes 制限や AI Chat query 数の制限があるので、安く見えても high-volume team では Business 寄りになります。
Fireflies は annual で Pro $10/seat/month、Business $19/seat/month。Free でも unlimited transcription を打ち出していますが、AI summaries や storage、AI features は上位で差が出ます。
つまり見るべきは最安値ではなく、
- MCP / AI chat がどこまで使えるか
- CRM 連携が必要か
- minutes / storage / AI credits 制限が実運用に足りるか
です。
各サービスの向き不向き
Granola
Granola は、この4つの中で最も botless を主語に選びやすい ツールです。
向いているのは次のケースです。
- 顧客商談や採用面接で bot を見せたくない
- 役員会や機密会議で visible participant を避けたい
- meeting notes を Claude / ChatGPT / Cursor 側でも使いたい
- Attio / HubSpot / Affinity / Notion / Slack に軽くつなぎたい
強みは、botless と MCP / CRM / AI活用がちゃんと両立していることです。単に「静かに録音できる」だけでなく、会議後活用まで見えているのが強いです。
弱みは、会議そのものの運用設計やアジェンダ管理まで一体で持ちたい人には、Fellow の方がわかりやすいことです。
Fellow
Fellow は最も meeting management platform 寄りです。
向いているのは次のケースです。
- 会議前 brief、会議後 recap、action items を一体で回したい
- 1on1 や recurring meeting を組織的に整えたい
- CRM 連携や部門横断共有を重視したい
- bot参加は許容できる
強みは、Ask Fellow だけでなく、アジェンダ、recap library、CRM automation、50+ integrations まで含めた運用の厚さです。単なる note taker ではなく、会議の型を整える側に寄っています。
弱みは、botless を求めるチームには合わないことです。会議相手への見え方を重視するなら、最初から Granola の方が筋が良いです。
Otter
Otter は最も meeting intelligence を広域で扱いたい組織 に向いています。
向いているのは次のケースです。
- Otter AI Chat を含めて、meeting knowledge を横断検索したい
- MCP server を使って ChatGPT / Claude でも meeting context を活かしたい
- sales / CS / exec で meeting-derived knowledge を蓄積したい
- bot参加は運用上問題ない
強みは、Meeting Agent、AI Chat、MCP server まで一本で語れていることです。議事録アプリというより、会議由来の知識基盤として見た方がハマります。
弱みは、bot が見えることに加え、minutes / query 制限などプラン差分をちゃんと見ないとコスト感を読み違えやすいことです。
Fireflies
Fireflies は最も AskFred / conversation intelligence / API の組み合わせで選びやすいツールです。
向いているのは次のケースです。
- meeting transcript を横断検索して答えを取りたい
- AskFred や AI apps を会議後活用に使いたい
- 会話分析や talk-time analytics を見たい
- API や voice agents を含めて拡張したい
強みは、検索・分析・拡張の幅です。Free でも入口は広く、Pro / Business でかなり機能差が出ます。
弱みは、botless を求める文脈には当然合わないことと、実際に欲しい AI 機能がどのプランで十分かを見極める必要があることです。
どれを選ぶべきか
迷ったら、以下の4パターンで決めるのが失敗しにくいです。
1. bot を会議に入れたくない
→ Granola
理由は単純で、4つの中でここを最も明確に価値化しているからです。顧客商談、採用、経営会議などで一番わかりやすい差になります。
2. 会議運用そのものを整えたい
→ Fellow
議事録だけでなく、agenda、brief、action items、CRM update までまとめて整えるなら Fellow が最も筋が良いです。
3. 会議知識を AI workflow の中心に置きたい
→ Otter
Meeting Agent、AI Chat、MCP server の線が最も太いので、meeting intelligence platform として見たいなら Otter が強いです。
4. 会話分析と横断検索を重視したい
→ Fireflies
AskFred、analytics、API、voice agents を活かしたいなら Fireflies がハマります。
導入前に確認したいこと
導入前は、次の4点だけは必ず確認した方がいいです。
- bot が見える運用を許容できるか
- ChatGPT / Claude / CRM / Notion / Slack のどこまでつなぎたいか
- 無料枠や下位プランの minutes / storage / query 制限で足りるか
- 顧客会議・採用・機密会議での録音ポリシーをどう運用するか
ここを曖昧にしたまま選ぶと、だいたい「文字起こしはできるけど定着しない」で終わります。
まとめ
この4つは同じ AI議事録ツールに見えて、実際の主語はかなり違います。
- Granola は botless と AI再利用
- Fellow は meeting management と follow-through
- Otter は meeting intelligence と MCP
- Fireflies は AskFred と conversation intelligence
一番大事なのは、bot参加の是非 と 会議後活用の深さ を最初に決めることです。
そこが決まれば、選択肢はかなり絞れます。
- bot を避けたいなら Granola
- 会議運用を整えたいなら Fellow
- AI workflow まで強く伸ばしたいなら Otter
- 検索・分析・API 活用なら Fireflies
まずは自社で一番 friction が強い会議を1本選び、実際に bot の見え方 と 会議後の再利用 まで含めて試すのが最短です。