先に結論
Figma Make は、ただの試作ツールではなくなってきました。ローカルの実コードを開き、UI を直接触って branch と PR まで作れる 段階に入りました。
いちばん大きい変化は、Figma の画面上で終わらず、GitHub の開発フローにそのままつながることです。軽微な UI 修正なら、デザイナーや PM が意図を PR まで運びやすくなります。
ただし、まだ全員向けではありません。現時点では closed beta で、対象は Mac の Figma Beta desktop app です。まず向いているのは、GitHub を使う少人数チームの pilot です。
何が変わったのか
Figma は 2026-05-28 の blog と release notes で、Figma Make を production codebase に直接つなぐ beta を公開しました。
できるようになったことは明確です。
- 実際に動いているローカルアプリを Make の中で開く
- 要素を選んで spacing、color、font、size などを視覚的に変える
- annotation や chat で、もう少し大きな変更をコードに反映させる
- branch を作る
- 変更を local commit として積む
- GitHub に pull request を作る
Figma Learn では、各 prompt によるコード変更が local commit として残ると案内されています。つまり、いきなり本番へ触るのではなく、チームの review フローに乗せる前提です。
今すぐ関係あるのはどんなチームか
この更新が刺さるのは、Figma を捨てたくないチームです。
v0 や Bolt のような builder は公開まで速い一方で、既存の Figma 資産が厚いチームほど運用の主語がずれやすくなります。今回の Figma Make は、Figma を起点にしたまま handoff を短くする 方向です。
特に向いているのは次のケースです。
- デザイナーが細かな UI 修正の意図を毎回文章で渡している
- PM が軽い文言変更や layout 調整を review 前まで進めたい
- エンジニアが全部の見た目修正を受け持つ bottleneck になっている
- すでに GitHub と Figma をチーム標準にしている
逆に、最初から builder 一体型へ寄せたいなら、Figma MCP Server と v0、Lovable、Bolt の比較記事 のほうが判断しやすいです。
導入前に見るべき制約
期待を上げすぎないために、制約は先に押さえたほうがいいです。
まず、この機能は Mac only です。Figma Learn では、closed beta は Figma Beta desktop app for Mac に限ると案内しています。
次に、Git provider ごとの差があります。
- GitHub は native support で、clone、branch push、PR 作成まで対応
- GitHub Enterprise Cloud は対応
- GitHub Enterprise Server は非対応
- GitLab / Bitbucket は SSH 経由の部分対応で、PR 作成は Figma 内では完結しない
さらに、repository ごとに 一回だけ engineer の初期設定 が必要です。Figma Learn では .figma/make 配下に setup、install、dev、verify、env の設定を置く流れが説明されています。ここを main branch に入れておかないと、デザイナーや PM が毎回つまずきやすくなります。
認証面の制約もあります。Figma は corporate-approved browser や hardware key など厳しい社内ログイン要件がある環境では、Make 内の GitHub login が通らないことがあると明記しています。
どう試すのが安全か
最初から大きい repo で始めるより、小さい UI 改修が多い Web アプリ で試すほうが安全です。
進め方はシンプルです。
- engineer が対象 repository に
.figma/make設定を入れる - GitHub app と認証フローが通るか確認する
- デザイナーか PM が軽い UI 修正を 1 本だけ試す
- branch と PR を作り、エンジニアが review する
この順なら、「誰でもすぐ IDE なしで実装できる」と誤解せずに済みます。今の Figma Make は、IDE の置き換えより UI 修正の往復を減らす補助線 と見るほうが正確です。
同じ Figma Make でも、再利用できる指示や外部ドキュメント連携を先に固めたいなら、custom skills の解説記事 も続けて読む価値があります。